ホテル・旅館
民泊と旅館業、365日営業するならどっち?東京23区の違いと区ごとの制限
住宅宿泊事業法(民泊新法)・旅館業法・特区民泊の違いと、中央区・台東区・新宿区・千代田区・大田区の制限を、年間の営業日数という観点で比べます。
1年を通して営業したいなら、旅館業法の許可(または大田区などの特区民泊の認定)が必要です。住宅宿泊事業法の民泊は届出で始められる一方、営業できるのは年180日までで、東京23区ではさらに区の条例で曜日や地域が絞られます。2026年10月には台東区で平日営業を認めない改正が施行され、新宿区でも規制強化の案が示されています。
要点
- 住宅宿泊事業法の民泊:届出制・年180日まで。家主不在型は管理業者への委託が義務
- 旅館業:許可制・日数の上限なし。ただし用途地域・建築・消防の条件が厳しい
- 特区民泊(大田区):認定制・最低2泊3日・日数上限なし
- 中央区は土曜正午〜月曜正午のみ、台東区は2026年10月1日以降の届出は平日不可
- 新宿区は住居系地域などで新規の民泊を禁止する案をパブリックコメント中(2026年10月)
3つの制度は何が違う?
答え:いちばん大きな違いは営業できる日数と、始めるときの手続きです。
| 住宅宿泊事業(民泊) | 旅館業(簡易宿所など) | 特区民泊(大田区) | |
|---|---|---|---|
| 手続き | 届出 | 許可 | 認定 |
| 営業日数の上限 | 年180日 | なし | なし |
| 宿泊日数の条件 | なし | なし | 最低2泊3日 |
| 建物の用途 | 住宅のまま | 旅館・ホテル等の基準に適合が必要 | 区の基準による |
| 区の上乗せ規制 | 曜日・地域の制限が多い | 帳場・学校距離などの条例 | 区のガイドライン |
民泊の「年180日」はどう数える?
答え:毎年4月1日正午から翌年4月1日正午までの1年間で、人を宿泊させた日数が180日を超えてはいけません。
家主が住んでいない家主不在型では、標識の掲示を除く業務を住宅宿泊管理業者に委託する義務があります。
区ごとの制限(2026年10月時点)
答え:東京23区では、180日の枠いっぱいに営業できない区が多くあります。購入前に必ず区の最新の条例を確認してください。
| 区 | 主な制限 |
|---|---|
| 中央区 | 区内全域で、営業できるのは土曜日正午〜月曜日正午のみ |
| 台東区 | 2026年10月1日以降に届出した住宅は、家主居住型・不在型とも平日営業不可(9月30日までに受理された届出は対象外) |
| 新宿区 | 住居専用地域は金曜日正午〜月曜日正午のみ。住居系地域などで新規の民泊を禁止する改正案のパブリックコメントが2026年10月15日〜11月13日 |
| 千代田区 | 文教地区・学校周辺は、家主居住型が日曜日正午〜金曜日正午は不可、家主不在型は全日不可。人口密集区域は家主不在型不可 |
| 大田区 | 家主不在型は、旅館・ホテルが建てられる用途地域でのみ可能で、小中学校から100m以内は月曜正午〜金曜正午は不可(家主居住型は緩和あり) |
結局どちらを選ぶ?
答え:収益を通年で組み立てたいなら、最初から旅館業の許可が取れる物件を選ぶのが基本です。民泊は、住宅として使いながら一部の期間だけ貸したい場合に向いています。
民泊で収支を計算するときは、180日ではなく、区の曜日制限を当てはめた実際に営業できる日数で計算します。たとえば中央区の制限では、週のうち営業できるのは土曜正午から月曜正午までです。
- 通年営業が前提 → 旅館業の許可(大田区なら特区民泊も選択肢)
- 住みながら一部の期間だけ貸す → 住宅宿泊事業の民泊
- マンションの一室 → 管理規約で民泊禁止のことが多い(別ガイド参照)
よくある失敗
- 「年180日営業できる」前提で収支を組み、区の曜日制限を見落とす
- 条例改正の動き(台東区・新宿区など)を確認せずに購入する
- 民泊で始めて、あとから旅館業に切り替えようとして用途地域で不可と分かる
出典・参考資料
よくある質問
すでに届出済みの民泊にも新しい規制はかかりますか?
台東区の改正は2026年9月30日までに受理された届出を対象外としています。新宿区の改正案は既存施設に施行2年後から適用する内容です。区ごとに経過措置が違うため、個別に確認が必要です。
民泊から旅館業に切り替えられますか?
旅館業の基準(用途地域・建築・消防・面積)を満たせば許可を取ることはできます。用途地域で不可の場所では切り替えられません。
特区民泊は大田区以外でもできますか?
東京23区では大田区が国家戦略特区の民泊を実施しています。他の区で検討する場合は、その区の最新情報を確認してください。
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